英語学習辞典

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「あなたと話してもつまらない」と言われてしまいました

学生時代に、なんとなくの流れで、海外のコンファレンスに参加したことがあります。 一人に一台、モニターと同時通訳の機械が供えられた席があり、参加者も多かったため、ほとんどの人が特に発言することもありませんでした。 私もただやり取りを聞いているだけで、雰囲気を楽しんでいたのですが、そのコンファレンスの後の懇親会で、忘れられない嫌な体験をしました。

軽い立食パーティーのようなスタイルで、ジュースを片手に、皆数人づつ、あちこちで話に花を咲かせていました。 海外からの参加者の多くは、目的意識をもって参加しており、学部や専攻もそのカンファレンスの内容通りのもので、日々、その研究対象の勉強にいそしんでいるようでした。 よくわからなかったのですが、専門分野的な話をして盛り上がっているようでした。 私の方は、教養的な学部で、専攻分野すら決まっておらず、毎日の生活も、バイトや遊びで充実していればそれでいいと思っていたくらいなので、話せることがあるはずがありません。しかも、英語もろくに話せないので、さぞかしダメ人間に見えたのでしょう。 話す人、話す人、すぐに会話が終わり、すぐに私の周りには誰もいなくなってしまいました。

自分のだめさ加減は身に染みたのですが、かといって、すぐに英語が話せるようになるわけはなく、会話のネタも見つからず・・・頑張りたくても頑張る方法もわからない状態でした。 仕方がないので、「早く時間を過ぎ去れ」と願いつつ、端の方で気づかれないようにしていようとしたのですが、つかまってしまいました。だめな人に「お前はだめだ」と言わずにいられない人に・・・。

その外国人の男性は、誰からも話しかけられない私に同情の思いで近づいてきたのでしょうか。 しかし、しどろもどろの英単語で、内容のない自己紹介的な話をして、必死に作り笑いを浮かべるのが精いっぱいの私にすぐに愛想をつかせ、捨て台詞で「あなたと話してもつまらないから誰も寄ってこないんだよ」的な事を言われてしまいました。 日本語で話していたなら「私だってあなたと話しても面白くない!」と反論できたはずですが、とっさの英語で、そんな事ができるはずがなく、黙りこくるしかできず、悔しい思いをしました。

この出来事を通じて思ったことは、英語は目的ではなく手段であるという事です。 もし、何か得意分野や興味をもって取り組んでいることがあったならば、英語が話せなくても、単語と身振りで何かを伝えることはできたのではないかと思います。 英語は話せなくても、人間性まで否定される事はなかったのではないかと思うのです。 逆に、英語の単語や文法を覚えても、伝える内容が薄っぺらければ、結局、面白くない人間と思われまうでしょう。 英語も人間性も、磨き足りないことだらけで、気が遠くなりますが、あれから、だいぶ年月が経った今、年の功と言えばそれまでですが、もし、英語で罵倒される事があったら、ひるむことなく日本語で反論する図太さは身についているように思います。(笑)

 - 英語に関する苦い経験